TODAY IN MUSICAL MARGINS
メンデルスゾーンが、
「静かな海」を
家で試演した日。

1828年9月7日、フェリックス・メンデルスゾーンは、ゲーテの詩から着想した《静かな海と楽しい航海》を、ベルリンの一家の邸宅で私的に試演しました。まだ公開初演ではありません。海が静かすぎると帆船は進めない――そんな不安を、若い作曲家は家族の音楽会に持ち込んだのです。
題材はゲーテの二つの詩。前半の「静かな海」は凪の美しさだけでなく、風がなく船が動かない不安を描き、後半の「楽しい航海」で風と進行が戻ります。メンデルスゾーンは二つの場面を、ゆっくりした序奏と活気ある部分に仕立てました。
この9月7日の出来事は、作品の「初演」とだけ書くと少し危険です。確認できるのは家の中での私的試演で、公開初演は1832年12月1日、ベルリンのジングアカデミーでした。日付欄では、私的試演と公開初演を分けて記録します。
しかもメンデルスゾーンはそこで筆を置きません。1828年に書かれた曲は、1832年まで手を入れられ、出版用には1834年の改訂版も生まれました。家の小さな音楽会で試した曲が、のちに演奏会の定番になるまで、海は何度も描き直されたことになります。
MENDELSSOHN RESOURCE
9月7日の私的試演を、確かめる。
資料を確かめる:メンデルスゾーンの家での私的試演と、その後の改訂をたどる。
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出典・参考
- Boston Symphony Orchestra・《静かな海と楽しい航海》作品解説
- Orchestre National de Bretagne・教育資料
- Bärenreiter・批判校訂版序文
- Morgan Library・1828年写譜資料
本記事は、Boston Symphony Orchestra、Orchestre National de Bretagne、Bärenreiter、Morgan Libraryの資料をもとに、日本語で要約しています。9月7日は家での私的試演、1832年12月1日はベルリンでの公開初演として分けて記載しています。