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TODAY IN MUSICAL MARGINS

SEP.5

バッハが、
「心配事は枕の下へ」と
歌わせた日。

読了 約2分
1723年のライプツィヒの教会で、歌手と器楽奏者を率いるJ・S・バッハを描いた歴史挿絵
1723年9月5日の初演とBWV 138の歌詞をもとにしたイメージ。史実写真ではありません。

「心配事は枕の下へ」。1723年9月5日、バッハはライプツィヒでカンタータ《なぜ悲しむのか、わが心よ》BWV 138を初演しました。トーマスカントル就任から、まだ三か月あまりでした。

この日は三位一体後第15主日。冒頭では古いコラールが慰めを歌う一方、独唱が「私は貧しい」「心配は朝ごと、日ごとに戻る」と割り込みます。合唱が神への信頼を促しても、別の声がまた不安を差し挟む。心配する本人と励ます声が、曲の中で会話します。

やがて第4曲のテノールは、神が今日助けなくても明日には助けるだろう、と気持ちを切り替え、「心配事を喜んで枕の下へ置く」と歌います。続くバスのアリアはメヌエット風。悩みを消すのでなく、ひとまず寝床へ片づけると、音楽の足取りまで軽くなります。

編成は四人の独唱、合唱、二本のオーボエ・ダモーレ、弦と通奏低音。J・S・バッハ財団は、コラールと自由な独唱の交替を、翌年のコラール・カンタータ年間曲集の先取りと説明します。毎週の礼拝音楽を用意したバッハは、不安を声どうしのやり取りにしました。

BACH DIGITAL RESOURCE

BWV 138の原資料を、確かめる。

Bach Digitalの作品情報で、初演日とベルリン国立図書館所蔵の自筆総譜を確認できます。画像・資料の利用条件は各資料ページをご確認ください。

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出典・参考

  1. J. S. Bach Foundation/Bachipedia「Warum betrübst du dich, mein Herz」
  2. Bach Digital「Warum betrübst du dich, mein Herz, BWV 138」
  3. Bach-Archiv Leipzig「Johann Sebastian Bach ─ chronology」
  4. ベルリン国立図書館「J. S. Bachコレクション」
  5. University of Illinois/Hans-Joachim Schulze「BWV 2」
  6. Sächsisches Staatsarchiv「Archivblatt 1/2020」

本記事は、Bachipedia、Bach Digital、Bach-Archiv Leipzig、ベルリン国立図書館、University of Illinois、Sächsisches Staatsarchivの資料をもとに日本語で要約しています。「心配事は枕の下へ」は原文「die Sorgen unters Kissen」にもとづく日本語表現です。9月5日は作曲完了日ではなく、BWV 138の初演日として扱っています。楽章番号はBachipediaの区分に従っています。

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