TODAY IN MUSICAL MARGINS
ブルックナーが、
建設中の大聖堂の前で
ミサ曲を初演した日。

1869年9月29日、リンツでブルックナーの《ミサ曲第2番》が初演されました。舞台は建設中の大聖堂とその前の広場。作曲家本人が指揮する、大聖堂全体の完成に先立つお披露目です。
この曲は、新しい礼拝堂の献堂式のため、司教が注文したものでした。ブルックナーは1866年に書き上げたものの、工事が延び、式は3年後に。リンツ教区の記録では、演奏は一部が屋外、一部が大聖堂内だったとされています。壮麗なミサ曲の初演に、会場のほうがまだ追いついていなかったのです。
編成もいつものオーケストラとは違います。独唱も弦楽器も使わず、八声部の合唱を15人の木管・金管奏者が支える形。校訂譜の序文によれば、ブルックナーは難しい曲のために28回もリハーサルを重ねました。工事中の場所で、大勢の声と管楽器をまとめる。晴れの日の指揮台まで、ずいぶん段取りの多い仕事です。校訂譜の序文が引く1885年の手紙では、あの日を人生で最もすばらしい日だったと振り返っています。
LINZER MARIENDOM RESOURCE
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リンツ教区の記録で、1869年9月29日の初演と、演奏が屋外・大聖堂内にまたがったことを確認できます。
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出典・参考
- リンツ教区:「Mariendom Linz: Jubiläumskonzert zur Weihe der Votivkapelle vor 150 Jahren」 — 公式記事(2019年9月30日)。初演日、ブルックナーの指揮、屋外と大聖堂内の演奏、編成。
- Fabian Freisberg:Die Kirchenmusik Anton Bruckners(PDF、108–110頁) — ザールラント大学博士論文(2016年)。作曲完了日、初演日、編成と作品の版。
- Dagmar Glüxam/Carus-Verlag:Messe e-Moll, WAB 27(校訂譜序文) — 校訂譜の序文。28回の練習と、1885年の書簡に記された回想。譜面本体は1882年の第2稿です。Carus刊行情報
- バイエルン放送合唱団:「Klangkathedralen」 — 2023年公演解説(Anna Vogt、Harald Hodeige)。《Locus iste》の初演日とミサ曲の初演記録。
- Brucknerhaus Linz:Ensemble Vocal de Lausanne & Daniel Reuss — 2024年公演ページ。工事による初演延期と、当日歌われなかった予定曲。
- Franz Gräflinger:Anton Bruckner: Sein Leben und seine Werke(1921年、PDF) — 伝記中の1885年5月18日付書簡の翻刻(冊子89–90頁)。自筆原稿ではありません。
資料確認日:2026年9月28日。各資料本文を確認し、日本語で要約しました。28回の練習は校訂譜序文に基づきます。1885年の手紙は刊行された翻刻を通じた紹介で、自筆原稿を直接確認したものではありません。会場が「追いついていなかった」などの表現は編集上の比喩です。歴史上の日付は資料記載の西暦日付です。
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