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SEP.22

ワーグナーが、
《ラインの黄金》の
初演を欠席した日。

読了 約2分
ミュンヘンの歌劇場を背にするワーグナーと、《ラインの黄金》の舞台準備を重ねたイメージ。9月22日、ワーグナーが、《ラインの黄金》の初演を欠席した日。
ワーグナーの不在と、国王の命令で進んだ《ラインの黄金》初演を象徴的に重ねたイメージ。1869年9月22日の実景、服装、舞台装置を正確に再現したものではありません。

1869年9月22日、ミュンヘンでワーグナーの《ラインの黄金》が世界初演されました。ところが作曲者の姿はありません。これは完成を祝う晴れ舞台ではなく、本人が止めようとしても止められなかった初演でした。

《ラインの黄金》は四部作《ニーベルングの指環》の「序夜」です。ワーグナーは全作を完成させ、自分の構想どおりまとめて上演したいと考えていました。しかし後援者のバイエルン国王ルートヴィヒ2世は、完成済みの部分だけでも先に聴くことを求めます。

ややこしいのは、1865年の国王の誕生日に、ワーグナー自身が自筆浄書譜を贈っていたことです。ショット社の批判校訂版序文によれば、その贈り物によって国王は王命で初演を要求できる立場になりました。ワーグナーは反対し、予定指揮者ハンス・リヒターも彼の指示で降板します。

それでも国王はフランツ・ヴュルナーを指揮者に据えました。8月の公演は一度延期され、当時の新聞は、公式理由は不明としながら舞台機械の準備不足を推測しています。そして9月22日、作曲者が欠席したまま幕は上がりました。贈った楽譜に、初演を先回りされた格好です。

BAVARIAN STATE OPERA

資料を確かめる

バイエルン州立歌劇場の公式作品記録で、《ラインの黄金》の世界初演日を確認できます。

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出典・参考

  1. ショット社/エゴン・フォス:Das Rheingold 批判校訂版序文(PDF) — 1865年の自筆浄書譜、ルートヴィヒ2世の王命、ハンス・リヒターの降板、贈呈譜の所在不明を確認した楽譜資料。
  2. Bayerische Staatsoper:Das Rheingold 作品記録 — 1869年9月22日のミュンヘン初演を確認できる公式機関の作品ページ。
  3. Liechtensteinisches LandesArchiv:1869年の同時代新聞記事 — 8月の公演延期と、舞台機械の準備不足をめぐる当時の推測を確認したアーカイブ資料。

資料確認日:2026年9月21日。公式機関の年表、批判校訂版序文、同時代新聞記事を日本語で要約しました。1869年9月22日は《ラインの黄金》単独の公開世界初演で、1876年のバイロイトにおける全《指環》上演とは区別しています。自筆譜の所在不明は批判校訂版序文が伝える史実であり、現在の所在を推測していません。舞台機械の準備不足は同時代記事の推測として記載しています。歴史上の日付はグレゴリオ暦で示しています。

掲載対象日:

今日は何の日――音楽史の余談

教科書の横に落ちている、小さな音楽史を拾います。

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