TODAY IN MUSICAL MARGINS
マーラーが、
不本意な「千人」の名で
交響曲を初演した日。

1910年9月12日、ミュンヘン。マーラーが自ら指揮して、交響曲第8番を初演しました。大勢の歌い手と楽器が集まる、その名も「千人の交響曲」。ただし、この景気のいい呼び名を付けたのは、作曲家本人ではありません。
名付け親は興行主のエミール・グートマン。大編成を宣伝に生かそうとしたわけですが、マーラーはこの愛称が気に入りませんでした。初演の準備中、友人の指揮者ブルーノ・ワルターへの手紙では、催しを有名なサーカスになぞらえて不満をこぼしています。
彼が心配していたのは、合唱が本番までに曲を覚えられるか、納得できる演奏になるかということ。芸術上の条件が整わなければ中止する、とまで書きました。宣伝は人数を数え、作曲家は仕上がりを気にする。人数がそろっても、音楽がそろうとは限りません。
それでも初演は大成功。「千人」の名も、作品と一緒に後世へ残りました。気に入らない愛称ほど、なかなか離れてくれません。
MAHLER RESOURCE
「千人」の由来を、確かめる。
愛称の名付け親と、初演準備中のマーラーの心配を公式解説で読めます。
資料を確かめる
- Mahler-Online作品目録 — 1910年9月12日のミュンヘン初演、会場、マーラーの指揮を確認できます。
- LAフィル公式解説 — グートマンによる愛称と、ワルター宛ての手紙に示された懸念が分かります。
- アメリカ交響楽団の解説 — 愛称の由来、初演の成功、1910年6月のアルマ宛て書簡の紹介を確認できます。
- マーラー財団の初演記録 — 初演日と場所、宣伝をめぐる経緯を照合できます。
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出典・参考
- Mahler-Online:GMW 48 Symphonie Nr. 8 — 学術的な作品・演奏目録。1910年9月12日のミュンヘン初演、会場、マーラーの指揮を確認。ウェブ公開日不明。
- ロサンゼルス・フィル:Symphony No. 8 — 公式作品解説。グートマンの愛称とマーラーの不満、準備中の手紙を確認。ウェブ公開日不明。
- アメリカ交響楽団:Gustav Mahler, Symphony No. 8 — Christopher H. Gibbsによる公式公演解説。初演、愛称、アルマ宛て書簡の紹介を確認。2012年公演用、ウェブ公開日不明。
- マーラー財団:1910 Concert Munich 12-09-1910 — 財団の初演記録。日付と会場、宣伝の経緯を照合。ウェブ公開日不明。
資料確認日:2026年9月11日。公式機関・財団の解説と作品目録を日本語で要約しました。手紙は紹介資料を確認したもので、自筆資料を直接確認したものではありません。出演者の正確な総数は資料間で差があるため本文では断定していません。「景気のいい」「なかなか離れてくれません」「押し流されたようです」は編集上の表現です。歴史上の日付はグレゴリオ暦で示しています。