TODAY IN MUSICAL MARGINS
モーツァルト12歳、
楽器名のない二つの
ソナタ。

《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》でも《魔笛》でもない、12歳のモーツァルトが書いた二つの小さなソナタ。その自筆譜には、1768年9月1日という日付が残っています。
モーツァルト一家が滞在していたのはウィーン。ハ長調のK.46dとヘ長調のK.46eは、どちらもアレグロに二つのメヌエットが続く短い作品です。新モーツァルト全集は、自筆譜の日付にもとづき、二曲がこの日に完成したとしています。
ただし、自筆譜には楽器名がありません。高音部と低音部の音域や音部記号から、現在の作品目録は「おそらくヴァイオリンと低音楽器のため」と整理しています。チェロを想定できる一方、低音を通奏低音として演奏した可能性も排除できません。
さらに譜面には、父レオポルトの筆跡もあります。《アレグロ》の速度表示を書き、強弱記号や別案の一部も父の手と校訂者はみています。天才少年の一筆として凍らせるより、親子の仕事場の跡として眺めるほうが、このソナタは生き生きして見えます。
BSB DIGITAL RESOURCE
12歳の自筆譜を、確かめる。
バイエルン州立図書館所蔵の2曲の自筆譜を、デジタル画像で確認できます。閲覧・二次利用条件は資料ページをご確認ください。
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出典・参考
- Mozarteum, Sonata in C, probably for violin and bass, K.46d
- Mozarteum, Sonata in F, probably for violin and bass, K.46e
- Neue Mozart-Ausgabe, Sonatas K.46d/K.46e, English critical report
- Bayerische StaatsBibliothek, Mozart digital resource
- Mozarteum Foundation, Mozart's Birthplace
- オーストリア国立公文書館、グレゴリオ暦導入記録
本記事は、モーツァルテウム財団のK.46d/K.46e作品資料、新モーツァルト全集の資料、バイエルン州立図書館のデジタル資料、モーツァルトの生家と父レオポルトに関する資料をもとに、日本語で要約しています。楽器名については作品目録の「おそらくヴァイオリンと低音楽器」という整理に従いました。