TODAY IN MUSICAL MARGINS
ブラームスの、
泣く曲と笑う曲を
紹介した手紙の日。

1880年10月7日の消印がある手紙で、ブラームスは二つの新作を「片方は泣き、もう片方は笑う」と紹介しました。宛先は音楽家のカール・ライネッケ。新作の紹介は、ずいぶんあっさりしています。
泣く方は《悲劇的序曲》、笑う方は《大学祝典序曲》。どちらも同じ年の夏、バート・イシュルで書いた作品です。名前だけを見ると、一方は重々しく、もう一方はお堅い大学の式典用にも見えます。
《大学祝典序曲》は、ブレスラウ大学から名誉博士号を贈られたお礼でした。ただ、本人が最初に送ったのは礼状のはがき。友人ショルツから、大学は音楽でのお礼を期待していると知らされ、曲を書くことになります。
そこで使ったのは、学生たちの酒席でも歌われた歌の数々。終盤には《ガウデアムス・イギトゥル》が堂々と響きます。博士号への返礼に学生歌を織り込むあたり、立派な曲名からは想像しにくい選曲です。
BRAHMS RESOURCE
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書簡を引用した校訂版の解説(二次資料)です。XVII頁の注103で、1880年10月7日の消印と、二つの序曲を泣く曲・笑う曲として紹介した一節を確認できます。
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出典・参考
- Johannes Brahms Briefwechsel 第III巻(Wilhelm Altmann編、1908年) — 刊行された一次書簡集。139頁のライネッケ宛て第X通で、ウィーン・1880年10月7日の消印と、二つの序曲を泣く曲・笑う曲と紹介した文面を確認。220–221頁の1879年3月18日付ショルツからの書簡では、博士号に応える音楽を求めています。確認したOCR本文。
- Michael Musgrave編/ブラームス新版全集:セレナードと序曲、ピアノ連弾編曲(シリーズIA・第4巻、2012年、PDF) — キール大学の全集研究機関ほかによる歴史批判校訂版の解説(二次資料)。XIV頁と注56–58で1880年夏の作曲と9月13日の連弾、XVII頁注103で10月7日の消印と引用、XVIII頁で公開初演日を確認。引用書簡集は1912年版143頁で、上記1908年版とはページが異なります。
- Kathy Henkel/ロサンゼルス・フィル:Academic Festival Overture — 公式作品解説(二次資料)。「About this Piece」の名誉博士号、学生歌、終結部の各段落で、最初のお礼のはがき、ショルツの要請、学生歌の使用、《ガウデアムス・イギトゥル》による終結を確認。公開年の記載なし。
資料確認日:2026年10月6日。刊行書簡集のOCR本文を読み、日付と引用を新版全集の解説と照合しました。クララとの連弾は、新版全集が引用する日記に基づきます。書簡・日記の自筆原稿を直接確認したものではありません。10月7日は消印の日付で、執筆日や差し出した時刻は未確定です。「あっさり」「想像しにくい」は編集上の評です。同じライネッケ宛ての書簡を引く二資料を、独立した二つの証言とは数えていません。
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