TODAY IN MUSICAL MARGINS
ニールセンの命日。
交響曲の種は、
酒場の変な絵。

1931年10月3日、デンマークの作曲家カール・ニールセンが亡くなりました。命日に振り返るのは、交響曲第2番《四つの気質》の、ちょっとおかしな出発点。本人によれば、その種は酒場で見た絵でした。
妻や友人とビールを飲んでいた部屋の壁に、四つの気質を描いた絵が掛かっていました。中でも怒りっぽい男は、馬に乗り、長い剣を何もない空間に振り回し、髪も目も顔も大騒ぎ。ニールセンは、その大げさな姿に思わず吹き出したといいます。
ところが、笑ったはずの絵が何度も頭に戻ってきます。やがて彼は、粗末な絵にも音楽の種があると気づきました。怒りっぽい人、のんびりした人、憂うつな人、陽気な人。その四つの気質から、交響曲の四つの楽章が生まれていきます。
本人は、自分の曲まで聴き手に笑われては困る、という趣旨の言葉も残しました。絵を笑った作曲家が、今度は自分の音楽を笑われるかもしれない。立場がひっくり返るところまで、話の落ちになっています。
一次資料|本人の回想・公式校訂版
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王立図書館の校訂版で、ニールセン自身が語る酒場の絵と交響曲の着想を読めます。序文xv–xvi頁には、笑った絵が音楽の種になったという回想が掲載されています。
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出典・参考
- Carl Nielsen/Niels Bo Foltmann校訂:交響曲第2番公式校訂版 — デンマーク王立図書館/Edition Wilhelm Hansen、1998年。序文xv–xvi頁、xviii頁注18・19。1926年・1931年の本人の解説を翻刻・英訳で掲載。PDFの15ページ目から読めます。
- Carl Nielsen 150 år:Timeline — 生誕150年記念サイトの年表(二次資料)。1931年の命日と1902年の初演日を確認。年表の個別執筆者・ウェブ公開日記載なし。
- 王立図書館:Catalogue of Carl Nielsen’s Works、CNW 26 — 公式作品目録。作曲は1901–1902年、初演は1902年12月1日。1926年2月5日と1931年10月7日の演奏会プログラムを区別。表示更新日2022年12月2日。
資料確認日:2026年10月2日。酒場の話はニールセン自身の後年の回想です。訪問日や絵の作者は、今回確認した資料では確定できません。公式校訂版に掲載された本文と英訳を確認しており、自筆原稿を直接読んだものではありません。本人はこの解説を厳密な標題として受け取らないよう断っており、絵をそのまま音で再現した作品とは扱っていません。「音楽の種」「大騒ぎ」「長居しない」は編集上の比喩です。歴史上の日付は現地のグレゴリオ暦で示しています。
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