TODAY IN MUSICAL MARGINS
ブラームスの、
急ぎたくないと
急いで書いたはがき。

1878年10月23日の消印があるはがきで、ブラームスはヴァイオリニストのヨアヒムに、新作の《ヴァイオリン協奏曲》について返事をしています。初演の予定は話し合っていたものの、作曲者にはまだ気になるところがありました。
ヨアヒムは翌年の元日、ライプツィヒでこの曲を披露するつもりでした。ところがブラームスは、作曲も演奏も急ぎたくない、と伝えます。アダージョとスケルツォにつまずいていて、今は確かな約束ができないというのです。
当初は四楽章を予定していた協奏曲でしたが、やがて中間の二楽章を取りやめ、新しいアダージョに置き換えます。現在の三楽章の形になった曲は、1879年1月1日、ヨアヒムの独奏とブラームス自身の指揮で初演されました。
さて、急ぎたくないと知らせたはがきの末尾には、この便りは取り急ぎ書いている、という趣旨の一文があります。作曲や演奏には時間をかけたいという返事を、ひとまず大急ぎで送っていました。
一次資料|刊行書簡集
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10月23日の消印があるはがき。作曲や演奏を急ぎたくないという返事と、末尾の取り急ぎの一文を読めます。
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出典・参考
- ブラームス=ヨアヒム往復書簡集 第II巻(Andreas Moser編、1908年) — 刊行された一次書簡。第359通・132頁の画像で10月23日の消印と本文を確認。第353通・126–127頁で四楽章構想を確認。
- ブラームス新版全集・管弦楽作品第9巻(Roesner/Struck編、2004年) — 校訂研究・二次資料。序文XII頁と関連注で初演日程の相談、中間二楽章の取りやめ、アダージョへの置換を確認。
- ボストン交響楽団:Violin Concerto(Jan Swafford) — 楽団公式解説。1879年1月1日、ライプツィヒでヨアヒム独奏・ブラームス指揮により初演。
- ブラームス=ヘルツォーゲンベルク往復書簡集 第I巻(Max Kalbeck編、1908年改訂版) — 刊行された一次書簡。第LV通・89–90頁の本文で、1879年1月とされる書簡のウィーン公演とコーダに重なった拍手の報告を確認。
資料確認日:2026年10月22日。日本語本文は刊行書簡・校訂研究・楽団公式解説の要約です。自筆原本・実物の消印は直接確認していません。OCRが消印の23日を28日と誤認していましたが、刊行ページ画像では23日と確認しました。執筆日・楽章変更の具体日は未確定です。はがきの消印、後年の書簡による報告、公開初演を区別しています。ヘンレによる同じ書簡の引用は追加の独立証言には数えていません。
掲載対象日:2026年10月23日。公開・更新日時は未確定のため、公開日時のメタデータは省略しています。