TODAY IN MUSICAL MARGINS
シューベルトが、
催促の手紙で
新作も売り込んだ日。

1828年10月2日、シューベルトはライプツィヒの出版者プロープストへ手紙を書きました。用件は、預けてある三重奏曲の出版がどうなったか。ところが、催促だけで終わりません。返事を待つ手紙の中に、新作の売り込みまできっちり入っていました。
冒頭では、三重奏曲はいつ出るのか、作品番号は100だと念を押します。待ち遠しい、と続けたあと、話題はすっと新作へ。ピアノ独奏のソナタが三曲、ハイネの詩による歌曲が数曲、さらにチェロを二本使う弦楽五重奏曲。出版の催促から、いつの間にか新作案内へ。一通の手紙で用件を二つ済ませる、なかなか実務的な便りです。
しかも、ただ新作を並べるだけではありません。本人は、ソナタを何か所かで弾いて好評だった、歌曲も大いに気に入られた、と書き添えます。五重奏曲は近日中に試す予定だという報告も。最後は、気に入るものがあれば知らせてほしい、というお願い。名作を生む人にも、出版の進み具合を尋ね、新しい仕事を持ちかける日がある。手紙の中のシューベルトは、ずいぶん身近です。
一次資料|書簡の翻刻
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1828年10月2日付の手紙で、三重奏曲の出版を催促し、ソナタ・歌曲・五重奏曲を紹介するくだりを読めます。
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出典・参考
- Schubert-online:1828年10月2日、ハインリヒ・アルベルト・プロープスト宛て書簡 — 一次資料の翻刻。日付、三重奏曲の作品番号100と出版の催促、新作の紹介、好評という本人の報告、五重奏曲の試演予定、フンメルへの献呈希望。原資料所蔵:ベルリン国立図書館、N.Mus.Schubert, F.I-1。ウェブ公開日不明。
- 髙松佑介/PTNAピアノ曲事典:ピアノ・ソナタ第21番 D 960(総説) — 2019年4月28日更新の作品解説(二次資料)。フンメルへの献呈希望と、死後の出版でシューマンに献呈された経緯。
- モルガン図書館・博物館:Franz Schubert’s allerletzte Composition — 公式所蔵目録。D 958–960の初版を記録し、標題にシューマンへの献呈と「出版社による」献呈を記載。刊年は推定[1838]。
資料確認日:2026年10月1日。書簡の翻刻・作品解説・公式目録を日本語で要約しました。自筆書簡や初版の画像を直接確認したものではありません。好評だったという記述と試演予定は本人の報告で、10月2日の演奏や試演を意味しません。「実務的」「身近」「表紙の宛名」は編集上の表現です。初版の刊年は、モルガンの目録が推定[1838]、PTNAの解説が1839年4月としており、本文では刊年を断定していません。歴史上の日付はグレゴリオ暦で示しています。
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