TODAY IN MUSICAL MARGINS
ワーグナー、
返事を待ちきれず
友人へ手紙。

1863年10月12日付の手紙で、ワーグナーは作曲家ミハーイ・モショニに、別の友人から返事が来ないと訴えています。ウィーン近郊のペンツィングで書かれた手紙です。求めていたのは、手紙一枚で済むような、はっきりした返答でした。
その友人は、ヴァイオリニストのエデ・レメーニでした。ワーグナーによれば、ウィーンで《ローエングリン》の上演中に会ったとき、詳しい手紙を送ると約束していました。その後も、電報で二度、同じ約束を受けたといいます。最後の約束は、この手紙の八日前のことでした。
ところが、返事は届きません。ワーグナーは、友人の人柄を疑うつもりはない、と断ってから、これほど苦しめられた沈黙はないという趣旨で続けます。相手への敬意を添えながら、待たされるつらさは隠していません。
何も知らせがなければ、諦めもつく。けれど、ときどき短い知らせが来るので、また期待してしまうのだと説明します。そしてモショニにも、事情が分かったらすぐ手紙で教えてほしいと頼みました。返事を求める手紙が、もう一通増えたのです。
研究論文|書簡翻刻
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ワーグナーの催促――手紙一枚の返事をください
1863年10月12日付のモショニ宛書簡。返事を待つ事情と、口頭・電報での約束を、論文に掲載されたドイツ語の翻刻で確認できます。
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出典・参考
- Ildikó Varga:Richard Wagner, Hungary, and the Nineteenth Century(2014年、博士論文) — グラーツ音楽演劇大学。冊子190–191頁、注521・524(PDF 191–192頁)。注524のドイツ語書簡翻刻で、ペンツィング発、1863年10月12日付のモショニ宛書簡と催促の事情を確認。口頭・電報での約束は、ワーグナー本人の記述として扱っています。
- Andreas Mielke編:Richard Wagner Sämtliche Briefe 第15巻(1863年の書簡)目次 — ドイツ国立図書館が提供する目次、冊子12頁、項目240。モショニ宛、1863年10月12日という書簡日付を確認。書簡本文の283頁は直接確認していません。
- Richard Wagner:My Life, Volume 2(1911年英訳版、Project Gutenberg) — 本人の自伝の英訳電子本文。PART IV(1861–64)のハンガリー訪問の記述で、名前を「Wagner Richard」と呼ばれたという後年の回想を確認。10月12日当日の出来事ではありません。
- ヴュルツブルク大学:Richard Wagner Sämtliche Briefe — 大学の書簡全集解説。第15巻(1863年)の解説で、同年5月からのペンツィング滞在などの背景を確認。催促の内容を独立に裏付ける資料としては数えていません。
資料確認日:2026年10月11日。ドイツ語書簡の翻刻と自伝の英訳本文を日本語で要約しました。自筆原稿を直接確認したものではありません。書簡に記された約束は本人の記述、自伝の話は後年の回想です。電報原本や相手の返信は未確認です。歴史上の日付はグレゴリオ暦で示しています。
掲載対象日:。公開・更新日時は未確定です。