TODAY IN MUSICAL MARGINS
ニールセンが、オルガン曲を
「耳で眺める」と
書いた日。

音楽を「心で抱く」のではなく、「耳で眺める」。ニールセンは、自作のオルガン曲をそんな言葉で説明しました。
1931年8月30日、デンマークの作曲家カール・ニールセンは、オルガニストのエミリウス・バンゲルトへ手紙を書きました。話題は、同年に完成した大規模なオルガン曲《コンモティオ》Op.58。10月にドイツ・リューベックで演奏されることになり、主催者から曲目解説を求められていました。
ニールセンが示した説明では、オルガンの音は「空気」という自然の要素によって生まれるため、作曲家は個人的で叙情的な感情を抑えるべきだとしています。表現には、感情的なものではなく、一種の乾いた厳格さが必要。そして作品は、心で抱きしめるより「耳で眺める」ものだ、と書きました。
もっとも、本人は長い解説を積極的に付けたかったわけではありません。題名だけにする案、短い注釈を付ける案、詳しい文章を載せる案を示し、これ以上の分析は不要だとも付け加えています。見事な比喩を書きながら、最後は「説明しすぎなくてよい」と締める。作曲家らしい曲目解説でした。
WORK & LETTER ARCHIVE
「耳で眺める」と書いた資料を、確かめる。
デンマーク王立図書館の作品目録で、1931年8月30日付書簡、《コンモティオ》の成立・演奏記録、全集資料を確認できます。
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出典・参考
- Royal Danish Library, Commotio, Op.58
- Carl Nielsen Edition, Piano and Organ Works
- Carl Nielsen Correspondence
- DOKS, Commotio recording overview
本記事は、デンマーク王立図書館の作品目録とカール・ニールセン全集に収録された1931年8月30日付書簡をもとに、日本語で要約しています。「耳で眺める」は、ニールセンが記した曲目解説の比喩を日本語にした表現です。