TODAY IN MUSICAL MARGINS
ブゾーニが、
シェーンベルクを本人に黙って
出版社へ推薦した日。

本人に相談する前に、出版社へ推薦状を送る。ブゾーニは、その大胆な先回りを隠さず、同じ日の手紙でシェーンベルク本人へ報告しました。
1909年8月26日、ベルリンのフェルッチョ・ブゾーニは、アルノルト・シェーンベルクへ手紙を書きました。二人はまだ直接会ったことがなく、数か月前から書簡を交わしていた仲でした。きっかけは、シェーンベルクが送った《3つのピアノ曲》Op.11です。
ブゾーニは同日、出版社ブライトコプフ&ヘルテルへ、三曲を出版して世に出す手助けをしてほしいと頼みました。しかも、本人の許可を先に取ったわけではありません。シェーンベルクへの手紙で「あなたの背後で」と切り出し、出版社への文面でも「本人の知らないところで尋ねる」と、先回りした事実をそのまま明かしています。
推薦文は甘い宣伝だけではありません。作品を「まったく人気向きではないが、意義深い」と評し、シェーンベルクを非常に独特で奇妙ながら、目的を自覚した精神の持ち主だと紹介。さらに、自分が一曲を演奏会用に編曲するほど強く関心を持ったと伝え、出版社の好奇心を刺激する序文まで添えました。頼まれていない推薦をしたうえで、その全文を本人へ送る。ブゾーニの応援は、正直で、かなり強引でした。
ORIGINAL LETTER
本人に黙って推薦した手紙を、読んでみる。
Busoni-Nachlassのデジタル書簡版で、1909年8月26日付書簡の画像・原文・校訂文を確認できます。
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出典・参考
- Busoni-Nachlass, Ferruccio Busoni to Arnold Schönberg, 26 August 1909
- Busoni-Nachlass, Arnold Schönberg to Ferruccio Busoni, 24 August 1909
- Arnold Schönberg Center, Three Piano Pieces Op.11
本記事は、Busoni-Nachlassの校訂書簡とArnold Schönberg Centerの作品資料をもとに、日本語で要約しています。見出しの「本人に黙って」は、ブゾーニ自身の「あなたの背後で」「本人の知らないところで」という表現を要約したものです。