TODAY IN MUSICAL MARGINS
ブラームスが、
髭を生やして
クララを怒らせた日。

壮大な《ドイツ・レクイエム》には感動。でも、新しく生やした髭には納得できない。クララ・シューマンの評価は、音楽と見た目で正反対でした。
1866年8月17日、33歳のヨハネス・ブラームスは、バーデン近郊のクララ・シューマンのもとを訪れました。この夏、ブラームスは《ドイツ・レクイエム》の作曲を進めており、資料によれば、この日に作品はいったんまとまった形へ到達しています。
クララの日記を紹介する資料によると、ブラームスは《ドイツ・レクイエム》の数曲と、ハ短調の弦楽四重奏曲をピアノで聴かせました。クララはレクイエムに最も心を動かされ、優しさと大胆さをあわせ持つ思想に満ち、実際の響きはまだ分からなくても、頭の中では壮麗に鳴っている、と高く評価しました。
ところが、同じ日に披露されたもう一つの新作――ブラームスの髭――には厳しい反応でした。見て分かるほど生えた髭にクララは憤慨し、「顔の上品さを損なう」という趣旨の不満を日記に残しています。大作曲家が新しい音楽と新しい顔を同時に持参し、歓迎されたのは音楽だけ。後世には立派な髭姿で知られるブラームスにも、髭が親しい友人の審査を通らない日がありました。
DIARY & SCORE
髭と《ドイツ・レクイエム》への、正反対の評を読む。
クララの日記をもとに、1866年8月17日の髭への反応と《ドイツ・レクイエム》への評価を紹介しています。
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出典・参考
- Clara Schumann Channel, “Johannes Brahms: German Requiem”
- Carus-Verlag, “Johannes Brahms: Ein deutsches Requiem — Foreword”
- Deutschlandfunk, “Johannes Brahms oder die Sehnsucht nach einem neuen Zeitalter”
本記事は、クララ・シューマンの日記を紹介する資料、《ドイツ・レクイエム》校訂版の序文、ブラームスの髭に関する解説をもとに、出来事を日本語で要約しています。「顔の上品さを損なう」は、日記に記された反応の趣旨を日本語で表したものです。